日常の生活に常に脅威が潜んでいるように、WWWことインターネットにもたくさんの危険があります。普段ならそれに敏感で巻き込まれないように注意している人でも、顔の見えないインターネットでは別世界のような感覚に陥り、つい油断してしまうことは珍しいことではありません。事実、インターネットが家庭に浸透して年数が経つにつれて、インターネットが起因となる、または関係している犯罪は増加しています。
自分の、そして親しい人々の身を守るために、まずはどんな脅威と隣り合っているかを知ることから始めましょう。
インターネットを使っている個人も法人も、日常的にどんな危険と隣り合っているのでしょうか。
もしSNSに登録して普段から個人的な情報を投稿しているのなら、次の危険も想定できます。
いずれも可能ならば1度も自分の身に降りかかってほしくないことですね。強固な防護壁を築くのは専門家以外には難しいですが、素人でも簡単にある程度は自衛できますので、次章以降でそれを紹介していきます。
コンピューター・ウイルスというものがあります。PCの中にそのウイルスが侵入すると、イタズラ程度から顔面蒼白になる程度まで何らかの悪さを働きます。それを事前に防ぐために作られたものが、ウイルス対策ソフトです。
ウイルス対策ソフトには個人利用が基本無料のものと有料のものがあります。いくつか紹介します。
基本無料 | |
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基本有料 |
ソフトウェアごとにウイルスの検出率、速度、使い勝手等に差がありますので、いくつか実際に導入してみて(*1)最終的にどれにするかを決めるといいかもしれません。
ウイルス対策ソフトを入れてからは、ウイルス・データベースの更新は毎日行いましょう。自動更新がおすすめです。
インターネットにつながっているPCは、極端に言うと誰でも使うことができます。見ず知らずの他人が遠隔地にいながら操作することもできます。PCの所有者の望まない通信が、気づかぬうちに発生するのです。それを防ぐためにあるのが、ファイアウォールです。
ファイアウォールにも無料のものと有料のものがありますが、ウィルス対策ソフトに比べると無料の数は少ないです。
無料 |
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有料 | 有料のウイルス対策ソフトについています。 |
ファイアウォールはただ設置するだけでは高い効果を望めません。利用者が適切な設定を行う必要があります。メーカーによっては推奨設定があらかじめ入っており、利用者がボタン1つで活用できるようになっている場合もあります。手始めに使うには、ウイルス対策ソフトに抱き合わせになっているものを選ぶのが無難でしょう。
Eメールの送受信を始め、ログイン作業を行うときには往々にしてパスワードの入力を求められます。大抵において英数字8文字以上の組み合わせをパスワードにする必要がありますが、その中でも破られにくいパスワードとは、
ものとなります。単純に、複雑なもののほうがよいということです。が、多くの人は、そうとわかっていても躊躇してしまうでしょう。なぜなら忘れてしまう可能性が高いと思えるからです。
そこで簡単で安全な暗号の覚え方です。自身でルールを決めてしまうのです。例示します。
上記ルールに則って暗号を制作しますと、「h3O4g5E6」になります。立派な8文字暗号ですね。なお安全性で言えば、実際は「hOgE3456」も「h3O4g5E6」も大差ありません。パスワードを手当り次第に当てて突破するツールを使えば、2つが突破される可能性は同じです。あとはシステム側での対処になります。3回間違えたら翌日まで入力不可能になるというのが、銀行などでよくある防御方法であり、とても有効です。
それでも、必ず暗号は作ってください。他人の予測しやすいものは厳禁です。なぜ? それは次章でお話いたします。
個人情報が漏洩することはよくあります。クラッカーが攻撃して突破する場合もありますが、本当によくある方法というのは、内部関係者による情報の持ち出しです。それを防ぐのはとても難しいことです。大容量記憶媒体をパンツの中に忍ばせられるような時代ですので、持ち物チェックを行ったとしても、社内の規範意識が低ければ容易に、それこそ悠々と歩いて重大な秘密を外に持ち出しすことができます。スパイは依然として諜報機関の主力にいるのです。
前章でパスワードは予測しづらいものを、と書いたのはそこにあります。モニターの縁にパスワードを書いた付箋を貼るなどもってのほかです。大切な情報を守る方法は、いかにその情報へたどり着きにくくするかしかありません。堅牢な扉があったとしても、鍵が落ちていたら目も当てられません。
情報を守るのは人の仕掛けです。そしてそれを破るのも、人の仕業です。確実な防衛方法はありません。情報を引き抜かれる可能性をゼロにすることはできません。できるのは、限りなくゼロに近づけることです。それを常に念頭に置いて、日頃からセキュリティへの意識を高めていきましょう。